「固定観念」と「固定概念」の違いとは?意味や類語を紹介

日常生活だけでなく、ビジネスシーンでも聞くことがある「固定観念」と「固定概念」は字面や響きが似ていますが、使い方に迷ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。この記事では「固定概念」と「固定観念」の言葉の意味や違い、類語について解説します。

 

「固定観念」の意味

固定観念は「こてい かんねん」と読む四字熟語です。四字熟語は漢字4文字でひとつの意味を構成する熟語です。
辞書を引くと、このように意味が紹介されています。

いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束するような考え。固着観念。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

 

簡単にいうと特定の価値観や考え方が凝り固まっていることを表します。人の意見に耳を傾けない、変えられないというような頑固な考えや意識のことをいい「固定観念にとらわれる」や「固定観念を抱く」と、ネガティブなニュアンスをもつ言葉として使われています。

 

「固定観念」と「固定概念」の違い

「固定概念(こてい がいねん)」という言葉は、じつは辞書に載っていません。「固定観念(こてい かんねん)」の誤用といわれています。

「固定観念(こてい かんねん)」の意味で「固定概念(こてい がいねん)」を使ってしまうと、言葉の意味や違いを知っている人から、指摘される可能性もあります。「固定概念(こてい がいねん)」は、使わないことをおすすめします。

「固定観念」と「固定概念」は文字の形や響きが似ており、同じような言葉の意味と誤解されることがありますが、観念は物事に対しての主観的な考え・イメージで、概念は物事に対しての客観的な考え・イメージ、共通認識観念と意味が異なります。

また、ある物事について多くの人がすでにできあがっている大まかな意味内容、一般的なとらえ方や考え方という意味で「既成概念(きせい がいねん)」という言葉があります。それぞれの言葉の意味を理解して使い分けをしましょう。

 

「固定観念」の類語

「固定観念」という四字熟語の類語には下記などがあります。

● 思い込み
「思い込み」とは、「こうあるべきだ」「絶対こうであるに決まっている」「そうに違いない」というように、深く信じこむこと。また、固く心に決めることで、ポジティブな場合とネガティブな場合、どちらの意味でも使用が可能です。

● 先入観
「先入観」とは、ある事柄に対して一方的につくられた前もっていだいている凝り固まった観念のことです。

● 偏見
「偏見」とは、偏ったものの見方や考え方という意味で、ネガティブな印象が強い言葉です。

● ステレオタイプ
「ステレオタイプ」とは、多くの人がもつ思い込みやイメージのことで、型にはまった思考や行動を意味する言葉です。

 

「固定観念」と「固定概念」の違いや意味、類語について解説しました。「固定観念(こてい かんねん)」か「固定概念(こてい がいねん)」か使い方に迷ったことがあるという人は、混同・誤用することなく自信をもって「固定観念(こてい かんねん)」もしくは「既成概念(きせい がいねん)」を使っていただけると思います。そのほかの類語も含め、最適な表現を使い分けるようにしましょう。