メールで見る「表題の件」の意味、使い方と注意点、言い換え表現
ビジネスメールなどで「表題の件」という表現を目にすることがあります。簡潔に伝えようと使ったとしても、使い方によっては相手に失礼にあたったり、相手が不快に感じてしまうこともあります。「表題」の意味や使い方、注意ポイント、言い換え表現や返事の仕方について解説します。
「表題の件」とは
表題(ひょうだい)には、以下の意味があります。
表題の意味
1. 書物の表紙などに記載されている題名
2. 演劇・芸術・講演などの題名
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ビジネスメールで「表題の件」と使われている場合は、メールの件名に書かれた内容を指しています。
メールの本文に件名の内容を重複して記載せずに済むために使われています。
表題を「標題」と表記されることもありますが、ビジネスメールでは「表題」を使うことが多いので、文字の変換は注意しましょう。
〈 表題と標題の違い 〉
どちらも「ひょうだい」と読み、言葉の意味も同じとされていますが、厳密にはニュアンスによる違いや使い分けがあるとする見方もあります。表題が主にタイトルを表し、標題は見出しを表していると考えられています。文章全体に付けるのが表題で、文章を構成する各章につける複数の見出しとしての標題があるという違いです。本で例えると、本のタイトルが表題で、本に書かれている各章のタイトルや見出しが標題と考えられています。
「表題の件」使い方の注意ポイント
「表題の件」を使うときの注意点を確認していきましょう。
1: わかりやすい件名にする
2: 件名と本文の内容を一致させる
3: 目上の人には使用を控える
4: 「表題の件」を好まない人もいる
– 注意ポイント 1: わかりやすい件名にする
メールの本文で「表題の件」と書くときは、相手がすぐに内容が理解できるように、表題となる「メールの件名」は明確にしましょう。わかりにくいメールの件名は、相手が確認しないとわからないということになる可能性があり、手間や負担をかけてしまう恐れがあります。スムーズなコミュニケーションをとるためにも、わかりやすいメールの件名にすることが大切です。
– 注意ポイント 2: 件名と本文の内容を一致させる
「表題の件」と書くときは、メールの件名と本文を一致させましょう。一致していないと相手は混乱してしまい、話が進まなくなってしまう恐れがありますので注意しましょう。もし件名の内容が違う話も加える場合は、ひと言「別件ではございますが」と添えることで相手を混乱させずに済みます。
– 注意ポイント 3: 目上の人には使用を控える
「表題の件」と略すことが失礼にあたると受け取られてしまう場合があります。「表題の件」は便利で使いやすい言葉ですが、目上の人に使用するのは注意しましょう。本文でもわかりやすい説明で丁寧にやりとりすることを心がければ、スムーズに話を進められて、より良い印象を持ってくれるでしょう。
– 注意ポイント 4: 「表題の件」を好まない人もいる
「表題の件」と書かれたメールを受け取ったとき、件名を確認いなければならず、手間がかかるため不親切だと感じる人も中にはいます。「表題の件」は、本文に件名の内容を重複して記載せずに済むため、効率的で便利で使いやすいですが、好ましくないと考える人もいるので、相手に余計な負担をかけていないか、使うときは注意しましょう。
「表題の件」の言い換え表現
「表題の件」の言い換え表現をご紹介します。
● 掲題の件( けいだいのけん )
掲題は「題目として掲げられた案件」という意味があり「表題」と同様に文書のタイトルやメールの件名として使うことができます。ただし、「掲題」はあまり一般的ではない言葉ではないため、使用される機会は多くありません。
● 首題の件( しゅだいのけん )/ ● 首記の件( しゅきのけん )
首題は「文章のはじめに書かれた題目」という意味があり、首記は「文書の冒頭に記載されたこと」という意味であることから、「表題の件」を言い換える表現として使えます。「首記の件」と書かれているより、「首題の件」と書かれているほうが、メールの件名としては連想しやすいかもしれません。
「表題の件」について、意味や使い方、注意ポイント、言い換え表現を解説しました。ビジネスシーンにおいて日常的に使われている言葉で、使いやすい言葉ではありますが注意が必要です。簡潔なメールにすることで、かえってわかりにくいメールとなってしまい、相手に確認の手間をかけさせてしまうこともあります。「表題の件」を使う際は、受け取った側が理解できる内容にするように心掛けましょう。