「参考」と「参照」の違い・使い方、注意点

「参考」と「参照」は似たような意味の言葉ですが、言葉の意味が曖昧で、どの言葉を使えば正しいか迷うこともあります。
それぞれの言葉の意味や違い、正しい使い方や注意点について解説します。

 

■ 「参考(さんこう)」とは?意味と使い方

参考とは、他人の意見や他の資料などを引き合わせて、自分の考えを決める手がかりにすること、または、そのための材料です。何かの情報や意見を元にして、自分の考えやイメージを発展させた場合には、参考を使用します。

前者の意味の場合は「お客様アンケートのご意見を参考に、サービス向上に努めてまいります」や「提案いただいた内容を参考に、検討させていただきます」などと使います。後者の意味の場合は「ご参考までに資料を添付いたします」や「ご参考になれば幸いです」、「おすすめいただいた本、とても参考になりました」などが、参考を使った一般的な言い回しです。

● 「ご参考までに。」は正しい敬語?

メールの締めの言葉として「ご参考までに。」と書かれていることがあります。
正しい敬語表現なので、取引先や目上の人に使っても問題ありませんが、人によってはぶっきらぼうな印象と受け取られてしまう場合があります。「ご参考までに添付いたします」や「ご参考までにお送りいたします」などと、最後まできちんと書くことをおすすめします。

 

● 必ず見てもらいたい資料は「参考」を使わない

メールに「ご参考までに資料を添付いたします」と記載しても、相手が必ず見てくれるとは限りません。
参考にするかしないかは、受け取り側の判断によるため、人によっては「参考程度なら重要度が低いから、わざわざ見る必要はない」と判断されてしまい資料に目を通さない、見てもらえないということもあります。

必ず見てほしい資料は「ご確認くださいますようお願いいたします」、「ご一読くださいますようお願いいたします 」、「お目通しいただけますようお願いいたします」、「ご査収くださいますようお願いいたします」などと、見てほしい意志をはっきりと伝えましょう。

 

■ 「参照(さんしょう)」とは?意味と使い方

参照とは、照らし合わせて参考にすることを意味しています。ある物事を、他の物事と照らし合わせ、両方を比べて確かめることをいいます。参照という言葉は、参考にするという意味合いを含んでいますが、照らし合わせる対象は、主に文献やウェブのあるページや文章、グラフ、図など、明確に形として存在する情報で、参考の言葉の意味のように「他人の意見」は含まれていません。

「詳しいデータは、こちらの資料を参照ください」や「御見積内容の詳細は、添付資料をご参照くださいますようお願い申し上げます」などが、参照を使った一般的な言い回しです。

 

「参考」と「参照」について、それぞれの言葉の意味や使い方、注意点など解説しました。
似たような意味ですが、照らし合わせる対象が異なることや。そのほかにも微妙に違います。
それぞれビジネス上でよく使う言葉ですので、意味を理解したうえで、正しい使い方をするようにしましょう。