書類の電子化のメリット・デメリット、注意ポイントとは?

書類を紙で管理していると、保管スペースが取られてしまったり、過去の書類を探すことが負担となります。書類の電子化(ペーパーレス化)は、業務効率を改善する方法として多くの企業から注目されていますが、書類の電子化は業務の短縮化・効率化を可能にするメリットが多いもののデメリットもあり、なかなか進められず検討中の企業も多いと思います。
書類の電子化による、メリットやデメリットを説明するとともに、注意点など導入前に把握しておくべきポイントを解説します。

 

書類の電子化による 5つのメリット

書類を紙ベースから電子化することにより、次のようなメリットがあります。

メリット 1: 印刷・保管のコスト削減
メリット 2: 書類の検索を効率化
メリット 3: 書類紛失の回避
メリット 4: 経年劣化の防止
メリット 5: 環境への配慮・貢献

どのようなメリットなのか、具体的にご説明します。

 

メリット 1: 印刷・保管のコスト削減

メリット 2: 書類の検索を効率化

書類を探すのが簡単になるということは、業務の効率化という点で大きなメリットです。過去の資料から調べものをする必要がある場合に、保管場所から目的の書類を見つけ出し、必要な情報を探し出すということは、手間と時間がかかる非常に大変な作業です。年度・月別、部門別など細かくファイリングしていても、必要な情報にたどり着くまでには時間がかかります。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、キーワードや条件などで検索できるので、欲しい書類・資料がすぐに見つかります。書類を探す時間が大幅に削減でき、スムーズに作業ができるようになります。さらに、タブレットやノートパソコンなどのデバイスからいつでもどこでも情報にアクセスができて情報を取り出せるので、業務の効率化に大きなメリットとなります。

メリット 3: 書類紛失の回避

書類を紙で管理していると、紛失リスクがつきまといます。置き忘れや誤廃棄、担当者が変わってどこに保管したかわからなくなったり、管理ルールを明確に決めてなく他の書類の中に紛れて紛失してしまうといったこともあり、社外で大事な書類を紛失すれば、それは大きなセキュリティ事故となります。万が一紛失したことで情報漏洩してしまった場合、会社に対して多大な損失を出してしまうことにもつながります。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、紛失する可能性を最小限にとどめられます。電子化した場合も、情報漏洩のリスクはあるものの、パスワードを設定して閲覧者を制限したり、バックアップを取って万一の紛失リスクに備えることが可能です。

メリット 4: 経年劣化の防止

紙の書類の場合、経年劣化による黄ばみや褪色を避けられません。保管状態が良くない場合は、後に文字が読み取りにくくなったり、ページが破れて必要な部分が読めなくなったりすることも考えられます。紙媒体とは異なり、データ化された書類は劣化したり読めなくなってしまったりするリスクがありません。書類を紙で管理することをやめて、書類を電子化することで、長期保管しても経年劣化を心配する必要はありません。

メリット 5: 環境への配慮・貢献

書類の紙は、もともと木材からできているため、大量に使用することは森林破壊につながる恐れがあります。紙で管理することをやめて、書類を電子化し、紙の使用を減らせば森林の伐採量が抑えられるため、地球上の貴重な資源が守られます。紙書類の廃棄が減り、SDGsにおける目標の一つでもある自然環境の保全に貢献することが可能です。持続可能な社会への取り組みにもつながり、環境に配慮している、環境に優しい取り組みをしている企業としてイメージが向上し、企業のブランド力や持続可能な成長にも期待できるメリットがあります。

 

書類の電子化による 5つのデメリット

書類を電子化する上で、デメリットや注意点についても把握しておくことが大切です。

デメリット 1: 時間と労力がかかる
デメリット 2: 業務のやり方が変わってしまう・業務改革が必要となる
デメリット 3: 紙に比べて見づらくなる場合がある
デメリット 4: 紙での保管が必要な書類がある
デメリット 5: システム障害などでデータが閲覧できなくなるケースもある

どのようなデメリットや注意点なのか、具体的にご説明します。

 

デメリット 1: 時間と労力がかかる

書類の量にもよりますが、書類の電子化を完了するまでに時間がかかる場合があります。業務に支障をきたさないよう、書類の電子化を進められる無理のない計画を立てるのがおすすめです。そのほかに電子化を推進するシステムやツールを導入したり、ネット環境を整え直したりしなければなりません。システム・ツールの種類や会社の規模などによって、違いはありますが大きな手間とコストがかかることにないます。書類の電子化することで、データに対するセキュリティ対策も必要になります。セキュリティ対策のためのソフトを取り入れたり、データ取扱いのルールも策定しなくてはいけません。書類を電子化することは準備から実施・管理まで多岐にわたる業務が発生するため、時間と労力がかかります。

デメリット 2: 業務のやり方が変わってしまう・業務改革が必要となる

書類を電子化すると、これまでとは業務手順が変わります。ファイル名のルールを決めるなど準備をしないと電子化したファイルを端末上で整理することが大変になる場合があります。担当者の業務量の増加や、慣れない作業で非効率になることがあるなど、これまでとは違う新しい方法に慣れる必要があります。書類を電子化する方がかえって手間がかかるという意見も出るなど、現場の反発が起こる可能性も考えられます。社内に混乱を招く恐れもあるため、書類の電子化の理由や必要性を周知徹底したり、新しい業務に関する研修を行ったり、書類の電子化に関する通達・共有を徹底することが大切です。

デメリット 3: 紙に比べて見づらくなる場合がある

書類を閲覧するとき、パソコンやタブレットの画面は小さいので、多くの情報を得るためには画面をスクロールしなくてはならず、使いづらくなることがあります。書類の全体を一目でつかみたい、一覧性を重視したい人にはやりにくい場合があります。端末の画面での閲覧は、頭に入りにくい人もいるかもしれません。必要に応じて一時的に印刷してよいルールにするなど、柔軟な運営も検討する必要があります。

デメリット 4: 紙の保管が必要な書類がある

契約上・法律上の理由で、紙のまま保管する必要がある書類もあります。
この場合は書類を電子化しても、紙の書類を管理しなければならないこともあります。
すべての書類を電子化できないこともありますので、あらかじめ注意が必要です。

デメリット 5: システム障害などでデータが閲覧できなくなるケースもある

システムのサーバーやクラウドサーバー上にシステム障害などが起こったり、インターネットの接続が不安定になったりすると、文書にアクセスできなくなる可能性があります。パソコンやタブレット機器の故障など、ハード面の理由により閲覧不可になるケースもあります。必要なときに必要な情報にアクセスできなくなるのは、大きなデメリットです。このような事態になった場合の対策・対処についてあらかじめ確認しておく必要があります。

 

書類の電子化を実施する方法

書類の電子化を実施する方法は、自社で行うのか、代行サービスに依頼するのか、システムを導入するのかなど、電子化による費用対効果や業務負荷などを比較しながら、自社にあった方法を選ぶことが重要です。

文書電子化システムの導入する場合、オフィスで使用している複合機やスキャン機能のあるプリンター、スキャナーなどで、社員がスキャンし書類を電子化していきます。使い慣れた機器でスキャンを行い自社のペースで文書電子化をすすめられ、自社にあったデータ形式や保存ができるので安心・確実です。ただし、膨大な量の紙がある場合は電子化に時間を要しますので、計画的に長期間じっくりと取り組むことになります。

膨大な量の書類を自社で電子化する場合、外部企業に委託する方法もあります。すべての書類を委託する以外に一部の過去の文書のみを委託する方法や、ホチキス止めの書類 / 自社のスキャナーでは対応できないサイズの書類 / 分厚い本や折りたたまれた書類などスキャンしにくい状態の書類を委託する方法もあり、費用はかかりますが、自社の社員の手間をかけずに、短期間で電子化が完了することが可能です。スキャン作業の電子化だけでなく、スキャン前の文書整理や選別、スキャン作業や入力作業、データ整理、紙書類やデータの管理まで、文書電子化にかかわるさまざまな作業を対応をしてくれる外部企業もありますので、スムーズに業務効率化を進めることも可能です。

書類やデータを外部に委託するためセキュリティ面も考慮し、自社に合う電子化の方法を検討しましょう。

 

企業が取り組むべき課題のひとつ「電子化」は、重要性・優先順位が高まりつつあります。政府もペーパーレス化を推奨しており、社会全体としてペーパーレス化の方向にあります。福島リコピーでは、定型業務の電子化、給与明細の電子化、源泉徴収票の電子化など、長年培った技術とノウハウでお客さまの課題やニーズにあった最適なソリューションをご提案しています。弊社営業担当へお問い合わせいただけましたら幸いです。お気軽にお問い合わせくださいますようお願いいたします。