IT導入補助金の申請は、導入支援事業者と二人三脚で
IT導入支援事業者が申請・手続きをサポート
前回のブログでも触れましたが、IT導入補助金を申請するには、その申請内容についてIT導入支援業者(ITベンダー・サービス事業者)の確認を受ける必要があります。あらかじめ事務局に登録されているIT導入支援業者は、いわば申請者を手助けする共同事業者(パートナー)で、私たち福島リコピーも登録事業所の一つです。
具体的には、自社(申請者)の業種や事業規模、経営課題に沿った適切なITツールを選択し、導入支援を行うほか、補助金の申請に必要な事業計画の策定支援など、各種申請等の手続きをサポートします。
(※独立行政法人中小企業基盤整備機構「IT導入補助金2023」の公式Webサイトより)
補助金の申請・手続きの流れ
1. IT導入支援事業者の選定とITツールの選択
まずは補助金の交付申請を行う事前準備としてIT導入支援事業者を選定し、事業者の提案などを受けて適切なITツールを選定します。このとき、ITツールは事務局の認定を受けたものに限られるので注意が必要です。詳細は公式Webサイトでご確認ください。
https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html
2.「gBizIDプライム」アカウントの取得
交付申請の要件には「gBizIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要です。gBizIDとはデジタル庁が推進する法人・個人事業主向けの共通認証システムで、取得すると一つのID・パスワードで複数の行政サービスにログインできます。このアカウントは「gBizID」のWebサイトから取得できます。
https://gbiz-id.go.jp/top/
3. SECURITY ACTIONの実施
交付申請の要件には「gBizIDプライム」アカウントの取得に加えて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要になります。
この宣言は、中小企業ならびに小規模事業者が、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、「★(一つ星)」または「★★(二つ星)」を宣言しなければなりません。交付申請作成時に宣言済アカウントIDの入力が必要なので事前に準備しておきましょう。
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/it-hojo.html
4. みらデジ経営チェックの実施
「みらデジ」とは、中小企業ならびに小規模事業者の経営課題をデジタル化により解決することをサポートする制度で、中小企業庁が推進しています。交付申請には「みらデジ」ポータルサイト内にgBizIDで登録し、「経営チェック」の実施が必要となります。
https://www.miradigi.go.jp/
5. 必要書類の作成と交付申請まで
申請者とIT導入支援事業者が共同で交付申請の事業計画書を策定し、あわせて申請に必要な添付書類を作成します。その後、以下の流れで交付申請します。
ア)IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受け、代表者氏名等の申請者の基本情報を入力する。
イ)交付申請に必要な情報を入力し、必要な書類を添付する。
ウ)IT導入支援事業者側で、導入するITツール情報、事業計画値を入力する。
エ)「申請マイページ」上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。
6. ITツールの発注・契約・支払い
交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行うことができます。交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けられなくなるので注意が必要です。
7. 事業実績報告
補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことがわかる証憑(しょうひょう)を、以下の流れで提出します。
ア)中小企業ならびに小規模事業者が「申請マイページ」から事業実績報告に必要な情報および証憑の添付を行い、事業実績報告を作成する。
イ)事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容の確認および必要な情報の入力を行う
ウ)最終確認後、中小企業ならびに小規模事業者が事務局に事業実績報告を提出する。
8. 補助金交付手続き
事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、「申請マイページ」で補助額を確認できるようになります。その後、補助金が交付されます。
9. 事業実施効果報告
定められた期限内に補助事業者が「申請マイページ」で必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て提出します。
補助金の活用事例
独立行政法人中小企業基盤整備機構では、2020年度以降にIT導入補助金に採択された中小企業ならびに小規模事業者のITツール活用事例を以下のWebサイトで紹介しています。全16の業種・業界に分け、「導入前の課題」「導入したITツール」「導入後の成果」の具体例が紹介されています。
例えば、就業・勤怠管理ソフトの導入で建築・土木工事の現場で働く社員の勤怠・労務管理を適正化し、働き方改革の推進に成功した建設業者のケース、事業規模に即した会計システムを導入したことで経理業務の負荷が軽減され、スピーディーな経営判断にもつながった製造業者のケース、総務の基幹業務システムをクラウド化して事務作業の効率化を図り、従業員の意識改革と働き方改革を実現した情報サービス業者のケースなど、参考にしたい事例が豊富に紹介されています。
https://it-case.smrj.go.jp/