「ください」・「下さい」平仮名と漢字の違い・正しい使い分け

「〇〇〇ください」という言葉は平仮名で書かれている場合と、漢字で「下さい」と書かれているものも見かけます。平仮名の「ください」と漢字の「下さい」は、どのような違いがあるかご存じでしょうか。漢字にした方が丁寧に見えるというイメージ的なものではなく、平仮名・漢字でそれぞれ意味が異なり、使い分けが必要です。

それぞれの違い・使い分けについて、お話させていただきます。

■ください[ 補助動詞 ]

相手に何らかの動作や行為をお願いしたり、促したりするときに用いられる言葉です。
英語では「please」の意。
「ください」は、何かをしてほしいという行動などのお願いごとや、敬意を表す尊敬語・丁寧語として使用します。
例:ご連絡ください / ご返信ください / ご検討ください / お申し付けください / ご覧ください / ご安心ください / お越しください など

■下さい[ 動詞 ]

相手から何かを「くれ」という請求の意を、敬意を示して表現するときに用いられる言葉です。
英語では「give」の意。

「下さい」は、物をもらいたい時に対して使用します。
例:時間を下さい / コーヒーを下さい / カタログ・パンフレットを下さい など

しかし「下る」は、高い地位の人から下げ渡される意味もあるため、漢字で書く「下さい」は、上から目線の言葉で失礼な言い回しであると感じる人もいらっしゃるかもしれません。目上の方に使うことは避け「〜をいただけますか」というような謙譲語を使用した方が良いと思います。「下さい」を使用する場合は、意味と使い分けを理解したうえで、さらに相手と状況に注意することをおすすめします。

このように「ください」と「下さい」では明確な意味の違いがあり、使い分けが必要です。
使い分けを知らない人から「漢字にした方がいい」と、間違った指摘や注意をされたという話も聞くことがありますが、正しい使い分けができるようにし、相手に失礼のない正しい表記を心がけましょう。