次世代型の省エネ・節電システムで、電気料金を削減

~緻密なデマンドコントロールで、高効率かつ快適な冷暖房を実現~

●最も電力消費の大きい「空調」に着目

前回のブログ記事では、オフィスビルの電力消費の傾向について触れましたが、中でも「空調」が最もエネルギー消費の大きい設備機器であることがわかりました。酷暑の夏や厳冬の冬を中心に、ほぼ年間を通してオフィスの空調機器は稼働していますが、省エネ・節電の視点で考えると、いかに空調の電力消費を下げるかがポイントと言えそうです。
そこで最近注目されているのが、空調に特化した次世代型の省エネ・節電システム「Ai-Glies」です。オフィスビルの業務用エアコンなどの空調機器をピンポイントで制御することで、基本料金と使用量料金の削減を行います。本システムは電圧種別が「高圧」または「特別高圧」の事業所が対象で、例えば、中小の企業や工場、商業施設、大規模工場などに適しています。

●電気料金の仕組みを活用し、基本料金を削減

まず、基本料金を削減するために電気料金の仕組みに着目しました。電圧種別によっては過去1年間の最大デマンドが契約電力となるため、この最大デマンドの抑制が基本料金の低減に大きく影響します。「Ai-Glies」はデマンドコントロールによって使用電力のピークをカットし、使用電力の多い時間帯の電力量を平滑化することで基本料金の削減を実現しました。

●きめ細かな自動制御で、年間の使用量料金を削減

次に、使用量料金が削減できるポイントは、「Ai-Glies」独自のきめ細かな自動制御にあります。具体的には、季節や気候(外気温度・湿度による不快指数)にあわせて空調の出力調整を行い、使用量料金を削減するとともに年間を通して快適な室内環境を実現します。例えば、酷暑や厳冬のときは冷暖房効果を高める運転で室内の快適性を高め、中間期(春・秋)や過ごしやすい時間帯には自動制御で節電運転に切り替えます。また、夏は室温が上がりやすい上層階、冬は室温が下がりやすい下層階の制御を自動で行います。以上のように室温が変化する前に最適な条件をシステムが自動で判断してくれるので、暑すぎたり寒すぎたりしない、快適な室内環境を保ちます。

●節電状況を見える化。省エネ意識の共有に一役

節電状況は、専用のクラウドサーバー上で管理されます。データはウェブブラウザでモニタリングが可能で、監視画面にはデマンド値、予測デマンド値、外気温から算出された不快指数が表示されます。日々の使用電力量が把握できるため社内の省エネ意識の共有・向上に寄与するほか、事業所としてのCO₂削減やSDGsへの取り組みを後押ししてくれます。

●無線接続で設置工事費もスリムに

節電対策ならびに電気料金の低減につながるデマンドコントロールシステムが注目される中で、「Ai-Glies」は従来の有線型とは違い、無線+ソーラー給電を採用しています。具体的には、空調室外機などの機器間は無線接続(LoRa無線)で情報のやり取りや制御を行っているので、通信線の配線が不要で工事費用を大幅に削減できます。屋外に設置された機器はソーラーパネルを搭載しているので、電源供給が不要です。無線+ソーラー給電の採用により、工事費用の削減だけでなく工事の短納期を実現しました。