DXの必要性とメリット・デメリット

DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されている背景には、経済産業省が企業に対してDXの導入および推進を積極的に促進し始めたことなどがあります。なぜDXが必要とされているのか、DXのメリット・デメリットについて解説いたします。

DXが必要な理由

スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が策定・公表している、デジタル競争力に関する国際指標である「世界デジタル競争力ランキング(調査対象国64か国)」によると、2014年の日本はデジタル競争力は20位でしたが、6年後の2020年のランキングでは27位に低下しました。欧米のみならずアジア勢にも大きく差をつけられ遅れをとっています。

1位 アメリカ

2位 シンガポール

5位 香港

8位 韓国

11位 台湾

16位 中国

26位 マレーシア

27位 日本

 

さらに、2021年は28位と過去最低順位を更新し、順位は低下傾向です。日本はDX後進国・DX発展途上国といわれており、DX先進国と比べて周回遅れともいわれています。経済産業省が2018年にまとめた「DXレポート」では、日本企業のDXが進まない状態が続くと、企業の競争力が急速に低下し、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘されています。

この問題は「2025年の崖」とレポート内で表現されており、日本の未来に巨額の経済損失が発生すると強く警鐘を鳴らしています。しかし、DXが推進され「2025年の崖」を回避することができれば、2030年に実質GDP130兆円超アップが期待できると、DXレポートでは述べられています。

デジタル技術が急速に発展し、世界各国はDX推進をどんどん進めています。このような時代の激しい変化に対応し生き抜いていくためには、世界各国と同じようにDXへの取り組みが急務となります。「2025年の崖」を回避するためにも、DXへの取り組みを本格的に検討する必要があります。

 

DX推進の足かせとなるレガシーシステム

DX推進を進めるにあたり「レガシーシステムからの脱却」が重要な課題となります。レガシーシステムとは、既存の古いシステムのことをいいます。レガシー(Legacy)は「遺産」を意味する言葉で「世代から世代へ受け継ぐものごと」とされていますが、情報システムにおけるレガシーは、古く時代遅れな「負の遺産」という意味合いで使われています。このレガシーシステムは、技術の老朽化/システムの肥大化・複雑化/ブラックボックス化などの問題を抱えており、DX推進の大きな足かせになっています。

DX推進を実現させるためにレガシーシステムを刷新し、新たな基盤として先端のデジタル技術やデータとの連携を図っていく取り組みが重要です。

 

DXのメリット・デメリット

DX推進に取り組むうえで、メリットとデメリットをしっかり理解しておく必要があります。代表的なメリット・デメリットをご紹介いたします。

 

メリット1:生産性の向上

従来の業務の見直し社内のワークフローを整理し、作業を最適化・自動化することによって、より優先度や重要度の高いタスクに集中することが可能となり、業務の効率化・生産性の向上が期待できます。

メリット2:変化に合わせた柔軟な対応が可能

ITツールを活用することでテレワークが可能になり、災害など不測の事態でも事業を続けることが可能になり、変化に柔軟に対応できます。DX推進への取り組みは、BCP(事業継続計画※)対策としても注目されています。

※事業継続計画:事業継続計画とは、災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画。

 

デメリット 1:時間とコストがかかる

期待したような成果を出せるようになるまでには、時間とコストがかかります。平均して3~5年はかかるとされています。必要なシステム導入には初期費用やランニングコストが発生するため、長期的な資金の確保が必要です。

デメリット 2:既存システムからの移行が困難

思い切ったシステム改革を実行する場合、慣れ親しんだ業務プロセスの変更に、作業を行う部署のメンバーが難色を示したり、反対・反発される可能性があります。社内全体の協力が必要になるため、DX実現後の効果を丁寧に説明し理解を得ることが重要になります。

DX推進について正しい理解が求められます。必要性やメリット・デメリットについて多角的に比較し導入の方法やタイミングについて見極めることが必要です。DXに関するお悩みは、ぜひ福島リコピーへお気軽にお問い合わせください。