勤怠管理を手軽に!2024年問題へ対応!

さまざまな労働環境の問題を改善するために、大企業や中小企業を対象に働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)は、2019年4月から順次施行されています。

〈 労働環境の問題 一例 〉
● 少子高齢化による労働人口の減少
● 長時間労働の慢性化
● 正規雇用者と非正規雇用者の賃金格差の拡大
● 年次有給休暇 取得率の低迷

 

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の実現に重きを置いたこの法改正の内容は、本ブログで紹介しましたとおり、建設業界に与える影響は計り知れません。5年間の猶予規制が解除される2024年4月1日以降から適用されます。対策の方法のひとつとして「勤怠管理」が注目されています。

 

1. 勤怠管理とは

勤怠管理とは、企業や事業所が社員の出勤時間や退勤時間、欠勤や休憩、休暇、遅刻、早退などの労働状況を正しく把握して、労働基準法や会社の就業規則を守った労働ができるように管理することです。勤怠管理では、大きく分類して「労働時間」と「休憩時間」を管理します。

 

〈 労働時間とは 〉

労働時間は「法定労働時間」と「所定労働時間」があります。

● 法定労働時間: 労働基準法第32条が「休憩時間を除いて1日8時間、1週間で40時間」と定められた、労働時間の上限です。

● 所定労働時間: 労働契約や就労規則の中で企業が定めた就労時間のことです。

 

法定労働時間を超えて働いた場合は「時間外労働」、労働時間が深夜であれば「深夜労働」、法律が定める休日に働いた場合は「休日労働」となり、労働基準法では原則禁止となっています。ただし、労使協定によって割増賃金を支払うことで、一定時間までは労働させることが例外として認められています。

 

〈 休憩時間とは 〉

休憩時間は、労働基準法で「労働時間が6時間を超える場合少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間を労働時間の途中に与えること」と定義されています。使用者は「休憩時間を自由に利用させなければならない」と定められています。労働者が休憩時間中に外出することも原則自由です。「電話番」など、休憩時間中になんらかの労働を任せている場合、厳密には休憩時間になりません。このように休憩時間は労働時間とは切り離された状態です。

企業は「1日8時間、週40時間」の法定労働時間が適正に守られているか、それに応じて正しい賃金を従業員に支払えているか、常に把握しておく義務を負っています。(労働基準法第32条)業務から離れる休憩時間に対しては、企業は賃金を支払う必要はありません。しかし、労働時間に応じた適切な休憩時間を与えずに働かせている企業には、6か月以下の罰金が科されることもあります。勤怠管理において「労働時間」なのか「休憩時間」なのかが判断しづらいグレーゾーンもあります。

● 厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(以下「ガイドライン」)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-06.pdf

ガイドラインの「労働時間の考え方」では「使用者の明示または黙示の指示により、労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること」と明記されています。これは参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により、業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当すること、ということです。

適切に休憩時間を与え、適切に労働に従事していることを示すためにも、勤怠管理によって適正に把握することが求められています。

 

2. タイムカードと勤怠管理システムの違い

出退勤時刻の記録をする勤怠管理といえば、タイムレコーダーと紙のタイムカードを使用した管理を行っている中小企業が多いですが、労働基準法の改定や働き方の多様化、IT技術の進んだ現代では、社員の出退勤情報を自動で記録できる「勤怠管理システム」が、一般的となりつつあります。

勤怠管理システムには大きく分けて「打刻方法・出退勤時刻の記録」、「集計方法」、「給与計算システムへの連携」の3つの機能があり、勤怠管理にまつわる一連の業務効率化に役立つシステムです。

【 打刻方法・出退勤時刻の記録 】

– タイムカード: 単純な打刻のみにしか対応
– 勤怠管理システム: パソコン、スマートフォン、タブレット、ICカードなどの打刻に対応

勤怠管理システムには、指紋認証などで他人が打刻することはできない、直行直帰時の打刻の不正も防止できる「不正打刻防止機能」や、打刻漏れがあればメールなどでアラートの通知される「打刻漏れ防止機能」があります。

 

【 集計方法 】

– タイムカード: 手作業で個別に集計し、複数の確認作業もおこなう必要がある
– 勤怠管理システム: リアルタイムで自動集計され、確認作業は少なく済みます

 

【 給与計算システムへの連携 】

– タイムカード:給与計算システムへの連携するために事前にExcelなどに手入力し・入力内容の確認作業もおこなう必要がある

– 勤怠管理システム:給与システムと連携すれば、ボタン一つで集計データを流し込めます。また、CSVデータでのインポートも可能なので、直接連携ができない給与システムにもデータを簡単に反映させられます。

 

従業員の勤怠管理を紙の出勤簿やタイムカードでおこなう方法は、コストが安く、使用や管理が簡単というメリットがありますが、保管に手間とスペースがかかることや、打刻漏れや不正打刻のリスクなど、デメリットがある点も無視できません。

最新の勤怠管理は、打刻処理を身近な携帯やパソコンから行うことで、管理部がパソコン画面上で勤務時間を把握できるので、時間外労働を超えることがないように確認することが出来たり、スケジュールの管理やワークフローの機能などがついていたりと、勤怠管理をしつつ他の業務の効率化を図ることが可能です。また、場所を問わず携帯電話で打刻ができるため、打刻忘れや有給申請、早退、遅出などの申請関係も、勤怠管理システムで対応し業務の効率化を図れます。


勤務形態の多様性がある現代のビジネスシーンでは、ITを活用する勤怠管理システムの利用をおすすめします。 勤怠管理の効率化、現状をなんとかしたいと考えているご担当者様、ぜひ福島リコピーにご相談ください。