「なるほど!」「さすが!」はビジネスシーンで使っていい言葉?
「なるほどです!」「さすがです!」は相槌として使いやすいですが、じつは目上の人に使うと失礼になります。ビジネスシーンでは、できるだけ使わない方がよいとされている言葉です。なぜ使わない方がいいのか、言葉の意味や言い換え等を解説します。
「なるほど!」はビジネスシーンで使っていい言葉?
「なるほど」は、相手の考えや意見に対して、同意や納得した気持ちを表現するときに使う副詞と感嘆詞(感動詞)です。
相槌の「なるほど」は感嘆詞として使いますが、相手の考えや意見を「評価したうえで同意する・感心してほめる」というニュアンスが含まれます。そのため上から目線の反応として受け取られたり、相手を見下した言い方に聞こえることがあります。ほめる行為は、目上の人が目下の人に対して行うことが基本という考えがあり、目上の人や取引先に「なるほど!」と相槌するのは失礼にあたります。
「なるほど」は副詞と感嘆詞(感動詞)ですが、副詞と感嘆詞(感動詞)には敬語表現はありません。 丁寧にしようと「なるほど」に「です」をつけて「なるほどです」という言葉を使う方もいらっしゃいますが、この言葉は文法的に間違いになります。また、強く同意した、深く納得したという意味で「なるほど、なるほど」と言葉を重ねると、いい加減な印象を与えてしまうため使わないように注意が必要です。
目上の人や取引先には「なるほど」や「なるほどです」は使わずに相槌は「はい」を基本にして、同意や納得した気持ちを表現するときは「おっしゃるとおりです」「勉強になります」「承知しました」「かしこまりました」などに言い換えると、丁寧な印象を与えられます。
「さすが!」はビジネスシーンで使っていい言葉?
「さすが」は「評判や期待通りであることが分り、改めて感心する時の言葉」と「内心認めながらも、全て容認できない様子のこと、そうともばかりも言えないこと」という意味があります。
相槌の「さすが」は、ほめ言葉になります。相手を「褒める」という行為は「なるほど」で解説したとおり「評価する」ことになります。評価は目上の人が目下の人に対して行うのが基本です。したがって「目上の人を褒める」こと自体が間違いで「さすがです」という言葉を、目上の人や取引先に使うことは失礼にあたります。
「さすがです」は使いやすく、つい言ってしまいがちな言葉ですが、目上の人や取引先には使わないようにしましょう。一言「さすがです」と伝えるより、感想や質問など関心を示すような具体的な言葉を使って伝えた方が相手も喜んでくれて会話が弾み、より詳しい話を聞く機会を得られる可能性もあるかもしれません。
「なるほど」と「さすが」の意味と使い方、言い換え表現についてまとめました。使いやすい言葉ではありますが、相手が目上の人や取引先には失礼な印象を与える恐れがあります。口癖になっているという方は、ビジネスシーンでは使わないように気をつけて、言い換えの言葉を使えるようにすることをおすすめします。相手に失礼がないよう、言葉の意味を理解して正しく使用しましょう。