12月1日より「アルコールチェック義務化」がスタート!
2023年6月8日に警察庁は、白ナンバーの車を使う事業者に対する「アルコール検知器を用いたアルコールチェックを2023年12月1日から義務化する」との方針を明らかにしました。 対象の事業者は義務化されるまでに、アルコール検知器の手配や、点呼記録・管理などの運用準備を、確実に進め完了させなくてはなりません。アルコールチェック義務化の内容や、対象事業者の詳細、どのような対応が必要か、などを解説します。
アルコールチェック義務化が拡大された背景・内容
2011年5月1日より、アルコール検知器を用いたアルコールチェックは、バスやトラック、タクシーなどの運送業や旅客運送業などの「緑ナンバー」を対象として義務化されていました。
2021年6月28日に、当時飲酒検査が義務付けされていなかった白ナンバーのトラックが、飲酒運転による死傷事故をおこし、この事故を受け、白ナンバー車両に対しても飲酒運転防止対策を強化することを目的として、道路交通法施行規則が改正されました。
2022年4月以降に白ナンバーの車も段階的にアルコールチェックの対象となり、社用車や営業車など規定台数以上の自家用車を保有している白ナンバー車両も対象が拡大されました。
■ 2022年4月からの義務化内容
– 運転前と運転後の運転者の状態を目視等で確認し、運転者の酒気帯びの有無を確認する
– 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること(道路交通法施行規則第9条の10)
■ 2023年12月からの義務化内容の追加
– 運転者の酒気帯びの有無の確認を、アルコール検知器を用いて行うこと
– アルコール検知器を常時有効に保持すること
アルコールチェック義務化の対象企業は?
アルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化される対象は、下記いずれかの条件を満たす企業です。
業種や、白ナンバーや黄色ナンバーは問わず、業務で使用する車を所有している場合は、義務化の対象となります。
■ 自動車5台以上を保有する事業所
もしくは
■ 乗車定員が11人以上の自動車1台以上を保有する事業所
(道路交通法74条の3第1項)(道路交通法施行規則9条の8第1項)
※1事業所あたりの台数として計算
※自動二輪車に関しては1台を0.5台として計算
※自動車は社用車に限定されず、マイカーであっても業務使用する場合には台数に含む
※原動機付自転車を除く自動二輪車は、1台を0.5台として計算
社用車や営業車を持つ多くの企業に当てはまるはずです。当てはまった場合には、アルコールチェック義務化にあたって具体的に行うべきこと、準備すべきことを確認して対応に向けた準備を進めてまいりましょう。
アルコールチェックの記録を行う場合、安全運転管理者の指導の下チェックを行うほか、事業所ごとに測定状況を管理者が把握することが必要になります。直行直帰や出張時にも酒気帯び有無の確認は必要になるので、注意しましょう。
道路交通法ではこの条件に当てはまる車両を保有する団体を「安全運転管理者選任事業所」と定め、車両の運行管理や安全運転に関する事業所内の管理者として選任される「安全運転管理者」に対して、新たに管理すべき業務として点呼とアルコールチェックを義務化しました。
企業・組織内で安全運転管理者を選任しない場合には罰則が課せられることになるため、選任を迷っている状況であれば前向きに検討する必要があるでしょう。
どのような対応が必要か?
2023年12月1日からスムーズに運用開始できるように、早急に準備を進めていく必要があります。
安全運転管理者の選任をされていない場合は、早急に選任ください。アルコールチェック義務化の対象となる企業は、事業所ごとに安全運転管理者1名を選任することが定められています。選任後は15日以内に事業所の管轄の警察署へ届出を提出し、年に一度実施されている安全運転管理者等講習を受講する必要があります。届出と講習に関する詳細は、管轄の警察庁へお問い合わせください。安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則がありますので、まだ安全運転管理者を選任していない場合は、選任や届出等を早急に進めなくてはなりません。
アルコールチェックは原則、安全運転管理者の実施となりますが、安全運転管理者の休暇、出張など不在時で確認困難な場合や、チェック対象者が多い場合は、安全運転管理者以外にも副安全運転管理者や安全運転管理者の業務を補助する人の実施が可能ですが、アルコールチェックに関するマニュアルを整備し、定期的に担当者の研修を行って、安全運転管理者が不在の際にも適切にチェックが行われる体制も構築が必要です。
使用する人数分のアルコール検知器の導入も必要です。そのほか、酒気帯びの有無の確認体制 / 酒気帯びが確認された際の対応策 / 直行直帰・出張時のアルコールチェックの実施・運用ルールの確立 / 社内ルールの告知 / アルコールチェッカー利用者へのマニュアル作成・配布 / チェック結果の記録・保持体制の構築など、多岐に渡ります。
さらに、アルコールチェック業務は可能な限り仕組み化し、安全運転管理者とドライバーの業務負担を減らすことも課題になります。
福島リコピーは「アルコールチェック管理支援システム」をおすすめします
業務負担を減らす解決策として、福島リコピーは「アルコールチェック管理支援システム」をおすすめします。「アルコールチェック管理支援システム」は、検知器でチェックした測定結果をクラウド上に集計され、アルコール測定から管理まで漏れなくサポートできます。
紙やエクセルなどで管理する方法もありますが、1日2回、最低1年間のドライバー人数分の記録を保管するための業務が増えます。さらに保管場所も必要になります。継続的におこなうと、どうしても管理が困難になります。エクセルもファイルが大きくなり、だんだんと使いにくくなります。データファイルを分けてしまうと管理が困難になってきます。はじめは紙やエクセルで管理されていたお客様も、あとから「アルコールチェック管理支援システム」に移行されるケースが多いです。
測定結果は、データとしてパソコン上で管理するのがおすすめです。紛失リスクがないうえ、保管場所の確保も必要ないためです。クラウド上で全社のデータを保管しておけば、まとめていつでも必要な記録にアクセスでき、各拠点からデータを収集する手間が削減されます。アルコールチェックから測定結果の記録・保管・管理といったすべての作業を考慮した場合「アルコールチェック管理支援システム」は、安全運転管理者もドライバーも負担が大幅に軽減でき、業務効率化が実現します。
アルコールチェック管理の問題点とその解決策についてのご相談や「アルコールチェック管理支援システム」についてのご質問・お問い合わせは、ぜひ福島リコピーへお気軽にご連絡ください。
アルコールチェック義務違反に係る罰則規定はありませんが、業務中の酒気帯び運転が発覚した場合は道路交通法違反により、運転者のみではなく、安全運転管理者も罰則が科せられます。企業においては、確実な対応を心がけてまいりましょう。
12月1日からスムーズに実施できるよう事前に実施フローを確認し、アルコール検知器の使い方を指導する時間や、アルコールチェックの流れを業務に組み込むシミュレーションを行う時間を設けるなど、運転者を含めた全員が責任を持ち、運用の徹底と安全な運転を意識することが重要です。